2018年1月15日月曜日

「独習 C# 新版」レビュー

先月中旬(2017/12/15)に久々にC#の解説書が発売になりました。
山田祥寛 著「独習C# 新版」です。前書「独習C# 第3版」の発売から7年ぶりに新版が出版されました。C#のバージョンも4.0から7.1までと最新の言語仕様ついてまで解説されています。

数々のC#本は発売されていますが、言語仕様についての解説がされている本はあまり多くはないと思います。

第1章から第4章
 C#についての基本的な説明です。変数や制御構文などプログラミング言語の使用についての解説です。他の言語の経験があればそれほど難しい内容ではないと思います。

第5章、第6章
 標準ライブラリ、コレクションといったC#(あるいは.Net)独自機能についての解説になります。かならずしもC#だけというわけではないですが、この章をよめば.net frameworkが提供している便利な機能を利用するのに参考になるでしょう。

第7章から第9章
 C#におけるオブジェクト指向プログラミンについての解説がされています。結構ボリュームがあって一度読んだだけでは理解できないかもしれません。しかし、丁寧な説明がされているので何度か読み直せばしだいに理解できると思います。

第10章
 ラムダ式、LINQといった使いこなせるとコーディングの効率を上げることができる機能についての解説がされています。

第11章
 マルチスレッド処理、ダイナミック型、イベントなどWindowsアプリケーションを作成するときによく使う機能についての解説がされています。


すでに他の言語の経験がある人は前半は軽く読み飛ばしても大丈夫だと思います。第5章以降はC#独自の機能も入ってくるのでじっくり腰を落ち着けて読み進めるのがいいでしょう。サンプルプログラムも基本短い(たぶん一番長くても見開き2ページ分まで)ものが多いので解説を読みながら、プログラムの確認をすることができます。また図表もたくさんあるので大量の解説文とにらめっこしながら読み進めるということもありません。一度で内容を理解できなくても繰り返し、読み進めれば理解を深めることができるのではないでしょうか。

 この本ではWPF/UWPといったGUIアプリケーションの解説はほとんどありません。基本的にサンプルプログラムはコンソールアプリケーションです。よってWindows用アプリケーションを作成したい場合には他の入門書を参考にする必要があります。
 C#の言語仕様についてより詳しく勉強したい人にお勧めします。また、現在MSでは大量のサンプルプログラムをGitHub上で公開しています。それらのサンプルプログラムを読む際に本書を手元に置いておくと、プログラムの内容についてより理解ができるのではないでしょうか。


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